高野佐三郎範士が語った〝三角矩〟の使い方

 川田徳先生覚書として記された「剣道教訓集」という冊子は、高野佐三郎先生の修道学院におけるさまざまな教えが書き留められたものですが,その中に、高野佐三郎先生の次のような三角矩についての話が記されています。ぜひご参照ください。(※一部、読みやすく文字づかいを改めました。) 

昭和十四年十一月十九日夜、修道学院に於いて稽古終わり後、高野佐三郎先生一同に教えて曰く、    三角矩の構えが本当に出来ておれば、たやすく打たれるものにあらず。 右の甲手は物打ちの部にてしのぎ、左の甲手は刀の中程にてしのぎ、面に打ってくればまっすぐ上にあげれば、敵の刀は落ちてしまう。横に払う気味があるから隙が生ずる。まっすぐあげればすぐにそのまま敵を打てるなり。ゆえに三角矩に構えて敵を打とうとも、敵に打たれるとも恐れず。無我の三味境に入りて、敵打たんとすればすぐに応じ、あるいはすり上げるなどして敵を打つべし。受けた音と打つ音と二つになってはいかぬ。敵を攻めて敵の刀を払うも同じ。払ってのち打つにあらず。払うと打つと同時でなければならぬ。 両手をチョンとはたいてどちらの手が先に鳴ったか、それと同じ理にて、払うと打つと同時でなければ駄目なり。    また面を打とうと思ってのち打ち、甲手を打たんと思ってのち打っては、もはや遅い。打たんと思った時にはもはや打ってしまっておらねばだめなり。 (中略)  また曰く、三角矩に構えて敵の出て来るところを利用して敵を打つべし。気分はどこまでも先々の先にて形は敵にまかすべし。これを、敵に従うの勝と云う。技は後の先でも気分は常に先々の先なるべし。 然して打ちは必ず心気力一致、気剣体一致ならざるべからず。また応じ甲手は有形の技、抜き甲手は無形の技なり。    今夜言うた事は最も大切の事なれば、よく注意してこれを体得する事を心懸くべし。決して一ヶ月や二ヶ月にて出来るものにあらず。長年月心懸けて修行すれば、必ずその境に達するを得るべし。   馬場欽司教士 正中線をとる方法より

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